先輩メッセージ

第1期生
青木 暢 さん
長崎大学
2020年3月卒業
 大学の掲示板に貼られた水色のポスターがNSKナカニシ財団との出会いでした。それは講義漬けの毎日と、友人たちとのただただ楽しい大学生活を送る中で、今の自分が何を目指して学んでいるのかを見失っていた頃でした。“奨学生募集”の文字を前に、挑戦してみよう! と熱い気持ちが沸き起こったのを覚えています。
 応募の際に求められた小論文を推敲することは、これからの歯科医療に自分がどう貢献できるのかを考えるきっかけとなりました。子供の頃から海外への憧れがあった事もあり、漠然と自分は海外と関わりを持ちながら歯科医療を行なっていきたいという想いに辿り着きました。
 そんな想いを抱いて3年間奨学生としての大学生活を過ごし、この1年間は臨床研修医として患者さんに関わってきました。当院は多くの外国人が在留する地域に所在しています。そのため時折、外国人が痛む歯を押さえながら来院することがあります。言葉や文化、医療システムの違いなどから、彼らにとって異国での歯科受診はハードルが高く、重症化するまで我慢してしまう傾向がある事が分かりました。彼らが異国の日本でもっと気軽に歯科医療を受診できるように出来ないものか、それが今の私の課題です。
 奨学生応募をきっかけに抱いた想いが、研修医を終えた今の私の課題に繋がっています。そして漠然とした私の想いを支えて頂いたのがNSKナカニシ財団奨学金です。
今年度より奨学生の募集が大幅に拡大されました。奨学生OBとして、皆さんが今どのような想いを抱いて学生生活を送っているのか、とても興味があります。今後はOB/OGと現役奨学生が想いや経験を共有できるように、つながりを大切に出来たらと思います。一緒に歯科医療を盛り上げていきましょう!
第2期生
渡部 準也 さん
東京医科歯科大学
2021年3月卒業
 私と歯科学との出会いは当初、前向きではありませんでした。大学受験浪人をした私は、第一志望以外に受験校を探しており、歯学部が自宅から通いやすい場所にあったことも受験を選択した理由でした。大学に入り本格的に歯科学に触れるにつれて、歯科学の学問としての面白さを強く感じるようになりました。歯科学は解剖学、免疫学、理工学、衛生学など多種多様な領域に及びます。学生生活で様々なことを学び、考えることができました。
 そうした幅広い領域を開拓してきたのは、歯科学の先達です。私も、新たな歯科学の領域を開拓していけるような、歯科学を牽引していける歯科医師を志すようになりました。そのような思いを抱いていた4年次に、NSKナカニシ財団より奨学金をいただくようになりました。私の考えに理解をいただき、応援してくれる方々がいることに安心感があったことをよく覚えています。奨学金をいただくことで、歯科学の勉強により専念することができました。首席卒業者に与えられる長尾学術奨励賞をいただいたことは、学業を第一に頑張ってきた学生生活の証として誇りに思っています。またその上で、組織学教室に所属して行った研究活動、海外の歯学部との国際交流活動、大学のグローバルリーダー育成プログラムであるHSLP(Health Science Leadership Program)での活動など、より幅の広い歯科医師となるための活動も行ってきました。
 NSKナカニシ奨学生として採用いただき、歯科学の勉学や様々な課外活動に励むことができたことに、とても感謝しています。NSKナカニシ奨学金を通して、歯科を牽引していく考えをもつ未来の歯科医師の仲間が増えていくことを願っています。